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北京の水資源 深刻な危機―世界で最も水不足の都市

2010年08月12日

【新唐人2010813日付ニュース】北京は今、深刻な水の危機に直面しています。かつての北京は、水資源が非常に豊かでしたが、1960年代以降、北京に80以上のダムが建てられると、かえって水資源が減少。北京は今、世界で水不足が最も深刻な都市の一つとなりました。

共産党政府はここ60年で、8万以上のダムを建設。しかし、国連は中国を「水資源の不足した国」に指定しています。
 
中国の民間団体「楽水行」の責任者・張さんは、北京のすべての河川と600あまりのダムを訪ね回りました。報道によると、87日、張さんはチームを率いて、北京へ水を供給している十三陵ダムの水源地に行きましたが、上流の水はもうなくなっていました。30年前は水が豊かだったのに、今は枯れてしまったそうです。
 
北京の水問題専門家・王建さんは、「北京は人口が爆発的に増え、経済も急速に発展したので、水の消費量が激増した。結果、生態系の正常な水の循環システムが破壊され、水資源は日に日に減少。北京は今、深刻な水危機に直面している」と指摘しました。
 
水問題専門家 王建
「人口増加と急速な経済で水の消費量が激増、結果、生態系の正常な水の循環システムが破壊され水資源も減少。北京は今、深刻な水危機に直面している」
 
1999年に出版され、大きな反響を呼んだ本『中国の水危機』で馬軍さんは「治水における現代中国の最大の過ちは、自然を改造するといった考えで行った、治水事業。森林伐採や、湿地・河川の田畑への改造が、洪水や干ばつを招いた」と指摘します。
 
しかし、森林が広範囲で消え、無数の湖や湿地が枯れていく中、中国当局は依然として、巨額を投じるダム工事や水利事業に力を注いでいます。
 
『中国の水危機』で馬さんは、限りあるカネや物を害のある水利事業に費やすべきではないとも指摘します。
 
また、これまで専門家などが中国の水資源の危機に警告を発してきましたが、当局はパニックを恐れて公にはしていません。
 
王さんによると、北京は世界でも水不足が最も深刻な都市です。水資源は37億立方メートルしかなく、一人当たりに平均すると200立方メートル。中国人平均の10分の1、世界平均の40分の1に過ぎません。水資源の不足は、すでに社会と経済発展に大きく影響する要素となっています。
 
また、中国600余りの都市のうち、400あまりが水不足だそうです。
 
新唐人記者がお送りしました。

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